※この記事は、Evocative Session Lab Practice3 Day1の内容をもとに構成しています。一部、講座での学びを前提とした専門的な内容を含みます。

一回で完成形をつくらなくていい

セッションをしていると、「この見立てで合っているだろうか」「この質問でいいだろうか」と考えることがあります。

特にパーツという見方を学んでいると、「今出てきているのは、どのパーツなんだろう」と当てたくなることもあるかもしれません。

でも、なかなか当たらないんですよね。

だから、当てることが大事なのではなくて、やってみて、どんな反応が返ってくるかを見る

そして、その反応から次に行く。

私は、セッションというのはそういうものだと思っています。

料理をつくるときの味見に少し似ています。

醤油を入れてみて、味見をする。

「あ、もうちょっと塩があった方がいいな」と思ったら、少し足して、また味見をする。

今度は「もう少し砂糖があった方がいいな」と感じるかもしれない。

一回で完成形をつくるのではなくて、やりながら味見をして、調整していく

セッションも、そんな感じだったりします。

パーツが「浮かんでくる」という見方

クライアントの話を聞いていると、いろいろなパーツが浮かんでくることがあります。

この「浮かんでくる」という感覚は、とても重要だと思います。

パーツという見方をしていると、その人を一人の人としてだけ見るのではなく、その中にいろいろな人がいるように見えてくる。

極端に言えば、一言一言くらいの勢いで、違う人が前に出てきて喋っているような感じです。

もちろん、セッションはパーツのセッションをすることがすべてではありません。

まったく違うセッションがあってもいい。

ただ、一つのスキルとして、パーツという見方でセッションができることは役に立ちます。

そして、この見方ができるようになるためにも、最初から「正しいパーツ」を当てようとしなくていい。

いろいろ出してみる。

クライアントの反応を見る。

そこから、また見え方や感じ方、考え方が養われていく。

以前扱った「当たり筋を見つける」というのも、まさにそういうことです。

想定と違う反応が返ってきたとき

ところが、実際のセッションでは、こちらが想定していなかった反応が返ってくることがあります。

何かを問いかけたとき、クライアントが「はてな」という顔をする。

予想とは違う仕草をする。

そんなときに、こちらが焦ってしまうこともあります。

これは無理もないことだと思います。

私たちは自然に予測を立てています。

「こんなふうに言ったら、こう返ってくるんじゃないか」

「こういう意図で質問したら、こんな答えになるんじゃないか」

いくつかの想定を持ちながら関わっているわけです。

だから、その想定から外れた反応が来ると焦る。

だとすると、ここで考えたいのは、質問の仕方や次の技法だけではありません。

そのとき、自分自身がどんな状態にいるのか。

これはスキルというより、「ありよう」の話になってきます。

何をするかより、どんな状態にいるか

例えば、心に余裕があるときなら、子どもたちがワーッと騒いでいても、それほど気にならない。

でも、自分に余裕がないときには、ちょっと何か言われただけでもイライラしてしまう。

同じことが起きていても、自分の状態によって、そこから生まれてくる反応は変わります。

セッションでも同じです。

ザイク博士は、エリクソンはいつでも「utilizeする」という状態にいたといいます。

だから、その状態からアイデアが生まれてきた。

同時に、メタファー的な状態にいたから、いろいろな物語やメタファーが出てきた。

つまり、「メタファーをつくらなきゃ」「これを利用しなきゃ」と考えていたのではない。

そういう状態にいるから、生まれてくる。

ジェネレーティブステートにいると、生成的な関わりが生まれてくるということです。

そう考えると、クライアントが想定外の反応をしたときに、「次は何をすれば正解なんだろう」と探すだけではなくなります。

どんな状態のときに、自分は焦るのか。

逆に、どんな状態にいると、そこに起きたことからクリエイティブな関わりが生まれてくるのか。

そこを探求していくことも、セッションを学ぶことの一部なのだと思います。

自分なりの「入り方」を探していく

ここには、「こうすれば正解」というものがありません。

状態への入り方は、それぞれ違うからです。

状態に入るというのは、一種のトランスと同じようなものです。

メタファーを使うような状態なら、メタフォリックなトランスにいる。

utilizeする状態なら、utilizeするトランスにいる。

その入り方は、人によって違います。

だからこそ、自分自身がどんなときにその状態に入れるのかを探求していく。

そうすると、セッションは「正しいことを当てる」というものから少し変わって見えてきます。

何かをやってみる。

返ってきた反応を見る。

そこから、また次の関わりが生まれてくる。

料理をしながら何度も味見をするように、セッションそのものが、その場で少しずつつくられていくのだと思います。

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