こんにちは!
木瀬武彰です。
職場や家庭で、「こうしてほしい」とお願いしているのに、嫌な顔をしたり、反発されることってありませんか?
丁寧に頼んでも、嫌そうに返事されたり、全然違うことをされたり…。
そんなとき、強制的にやらせようとすると、かえって相手が怒ってしまうこともありますよね。
「関係が悪くなるくらいなら、全部自分でやってしまおう…」と、結局自分が疲れ果ててしまう。
人を大切に思うからこそ、相手を嫌な気持ちにさせたくなくて、自分を犠牲にしてしまうのは無理もないことです。
でも、もし 相手が嫌な顔をせず、自然とお願いを聞いてくれる方法があったら、どうでしょうか?
今回は、ミルトン・エリクソン博士の「相手にコントロール感を持たせつつ、実はこちらがコントロールしている」という魔法のような方法を紹介します。
なぜ、お願いをすると嫌な顔をされるのか?
人がお願いされると嫌な顔をするのは、「自分で決めた」という自律感が損なわれるから です。
別の言い方をすれば、「自由を奪われた感じ」「させられた感」があると、不快に感じるわけです。
たとえば、ショッピングセンターで子どもが「キティちゃんのハンカチがいい!」と言ったのに、「こっちの花柄にしなさい」と親が言うようなもの。
人は、「これをしなさい」「あれをしなさい」と指示されると、強い抵抗を感じるものなのです。
ミルトン・エリクソン博士は、「制限を設けつつ、その範囲内で自由を与えることで、相手にコントロール感を持たせる」という手法を使い、クライアントに課題を実行させる天才でした。
この方法を使うと、驚くほど こちらが制限した範囲で、相手が「自分で決めた」と思いながら動いてくれる ようになります。
ポイントは 3つのステップ です。
- 限度を少し低めに設定する
→ 相手が「それくらいなら余裕」と思えるようにする。 - 自由の範囲を与える
→ 相手が「自分で選べる」という感覚を持てるようにする。 - 「ちょっぴりやかましい」と思わせる
→ ほどよいプレッシャーを与えて、モチベーションを刺激する。
では、実際にどのように使うのか? 3つの事例で解説します。
【事例1:子どものゲーム時間】
問題
子どもがゲームを長時間しすぎて、やめさせようとすると反発する。
▼エリクソン的アプローチ
✅ 限度を少し低めに設定する
• 「1日30分だけゲームをしていいよ」と言うと、子どもはもっとやりたくなる。
• そこで、「1日45分までならOK」と少し余裕を持たせる。
• すると、「1時間やりたいけど、45分ならまだマシ」と思い、納得しやすい。
✅ 自由の範囲を与える
• 「30分と15分に分けてもいいし、一気にやってもいいよ。」
• 自分で選べる感覚を持たせることで、ルールを強制されている感覚が薄れる。
✅ 「ちょっぴりやかましい」と思わせる
• 「45分以上はダメだよ。守れなかったら明日は30分ね。」と伝える。
• 完全禁止にせず、少しだけプレッシャーをかけることで反発を防ぐ。
【事例2:部下のプレゼン準備】
問題
部下がプレゼンの準備をギリギリまでしない。
▼エリクソン的アプローチ
✅ 限度を少し低めに設定する
• 「明日までに完璧なスライドを作れ」と言うとプレッシャーが大きい。
• そこで、「まず3枚だけ作ってきて」と言うと、5枚ぐらい作ってくる可能性が高い。
✅ 自由の範囲を与える
• 「3枚の内容は自由。ただし、話すポイントは整理しておいてね。」
•
✅ 「ちょっぴりやかましい」と思わせる
• 「3枚でもいいけど、5枚くらいあると話しやすいかもね。」
エリクソンのアプローチは、教育・コーチング・マネジメント・育児など、さまざまな場面で応用可能 です。
今日のまとめをすると・・・
1️⃣ 限度を少し低めに設定する
2️⃣ 自由の範囲を与える
3️⃣ 「ちょっぴりやかましい」と思わせる
この3つを意識すると、相手が「自分で決めた」と思いながら動いてくれるようになります!
まずは、「限度を少し低く設定する」から試してみてください。
あなたの 最初の声掛けの一言を変えるだけで、相手の反応が変わります。そうすると、お互いに嫌な思いをせず、自然にコミュニケーションが取れるようになります。その結果、人間関係がよりスムーズになり、良い関係を築きやすくなります。
最初は難しく感じるかもしれません。でも、続けていくうちにコツをつかみ、人を導くコミュニケーションができるようになります!
では、また~!